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駿河湾深海魚の
ふか〜い話
DEEP SEA STORIES IN SURUGA

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ホテイエソ

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ふか〜い話

ホテイエソの仲間は英語でscaleless dragonfish(鱗の少ない竜のような魚)と呼ばれており、実際体表に鱗はありません。和名のホテイエソは厳密に一種(Photonectes albipennis)を指しますが、ホテイエソの仲間には実に多くの種が含まれており、Photonectes属に所属するものだけでも少なくとも24種報告されています。形態も似ていて区別が難しいです[2]。
顔や下唇の形状から、写真1,2,3はカンテントカゲギス(写真にはありませんが実際は顎ひげを持ちます)、写真4,5の顎ひげの短いものはホテイエソかそれに近い種ではないかと推察されます。
また、顎ひげの長いもの(写真5の下段、および写真6)についてはその形態的特徴からのヤリホシエソ(Leptostomias multifilis)の仲間ではないかと思われます[3]。
写真2の眼後部の白く見える領域は発光器。また写真2では不明瞭ですが、腹部にも2列の発光器の列があるほか、小さな発光器が全身に点在します。
顎ひげの先端近くにも発光器があります[4](図1はホテイエソの仲間の発光器の分布)。
ちなみに多くのホテイエソの仲間が所属するPhotonectes(フォトネクテス)属の語源はギリシャ語での合成語で「光り輝く泳ぐもの」の意味。
ホテイエソは発光器が特徴的と考えられているようです。
ホテイエソの仲間は水温の下がる冬季に水面近くまで上がってくることがあり、大瀬崎あたりでダイバーによって泳ぐ姿を撮影された写真をweb上でよく見かけます。
調べた限りホテイエソの飼育に成功したという例はありません。ホテイエソを食べたという記載をweb上で見かけましたが、あまり美味しくはないようです。
レア度 ★★★★☆(★の数が多いほどレアです)

詳しい情報

学名
Photonectes sp., Leptostomias sp., Melanostomias sp.
和名
ホテイエソの仲間(カンテントカゲギス、ホテイエソ、ヤリホシエソ)
英名
scaleless black dragonfish
分類群
ワニトカゲギス目ワニトカゲギス科
サイズ
15-20cm程度[1][2][3]
形態的特徴
カンテントカゲギス:
ひげの先端は著しく側扁し、膜状で、多くの微小発光体を備える。

ホテイエソ:
背鰭と臀鰭は黒色の皮膚で覆われておらず、各鰭条(きじょう)はわずかにその先端だけが見える。胸鰭はない。ひげは頭長より長く、先端の球状体には一本の黒色の糸状物が付属している。

ヤリホシエソ:
ひげの長さは体調の44〜70%、茎部の基部には1〜2本の糸状物がある。ひげの先端にある細長い球状体には、その基部近くに一対の糸状物があり、さらに先端にも多くの短い糸状物がある。球状体の先端は割れていない。体長19cmに達する。
生態
カンテントカゲギス:東北沖〜熊野灘、小笠原諸島近海; 西部太平洋の暖海域.
ホテイエソ:相模湾〜九州-パラオ海嶺、小笠原諸島近海; 西部太平洋の暖海域
ヤリホシエソ:駿河湾、高知沖
捕獲日
2021年2月1日、5月6日、9月25日

出典

1. 東海大学出版会 日本産魚類大図鑑
2. Prokofierv A.M., 2019. Materials for revision of the genus Photonectes(Melanostomiidae). Journal of Ichthyology 59: 449-476.
3. 駿河湾の深海魚(11) ヤリホシエソ(その1) 自然史静岡第47号: 9, 2014
4. 超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50  北村雄一 著

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