
ハナグロフサアンコウはアンコウ目フサアンコウ科に属する深海魚です。フサアンコウの仲間の概要については、ミドリフサアンコウのページをご覧ください。
ハナグロフサアンコウは高知大学の岡村収博士と尾立正幸氏によって新種記載された魚で、その学名「Chaunax tosaensis」に「土佐」の地名が入っています[1]。
ハナグロフサアンコウの一番の特徴は、写真にもあります、額からのびる誘因突起の先端、塊のようにも見える擬餌状体(エスカ)です。「ふか〜い話」に掲載しているミドリフサアンコウ、ホンフサアンコウと比べても、ハナグロフサアンコウのエスカは大きいです。名前にある「ハナグロ」の由来も、この大きなエスカが格納された際に黒い鼻のように見えることに由来します。webで調べた限り、ハナグロフサアンコウはよく食用とされているようです。日本産魚類大図鑑にはアンコウ鍋の主役であるキアンコウよりハナグロフサアンコウの鍋は美味しいと明記されていますので[2]、ぜひ食べてみたいものです。
レア度 ★★★(★の数が多いほどレアです)
1. 中山直英 高知大学理工学部生物科学科 海洋生物学研究室ホームページ今月の魚 2007年 11月
2. 益田一 (編) 1988 日本産魚類大図鑑 第二版 東海大学出版
3. 池田博美、中坊徹次 南太平洋沿岸の魚類
4. 中坊徹次 小学館の図鑑Z 日本魚類館 小学館